ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲「展覧会の絵」

最終更新日 2007/05/01


(作成日:2001/08/18)

演奏時間 35分
編成 Fl3(Picc2)、Ob3(E.Hr1)、Cl2、B.Cl1、A.Sax1、Fg2、C.Fg1、
Hr4、Tp3、Tb3、Tuba1、Tim1、
Perc5(バスD、スネアD、Cym、木琴、Tri、チャイム、グロッケン、TamT、ラチェット、ムチ)、
Cel1、Hp1、弦5部
スコア上の名称 Tuba
演奏経験 1回

 

 まず、この曲は、ロシアの作曲家ムソルグスキー(1839−1881)が書いたピアノ曲であることは、言うまでもない。そして、たくさんの人がオーケストラ用に編曲をしているが、その中でも最も有名なものがこのラヴェル(1875−1937)編曲のものであろう。そして、ラヴェル編曲のものは、管楽器奏者それぞれを引き立たせるような書き方をしており、とりわけ、金管楽器奏者には吹き甲斐のある曲であると、私は思う。

 さて、ユーフォニアムの出番は、第4曲「牛車(ビドロ)」にある。3分くらいの曲の始めと終わりの2回、ソロという形で出てくる非常においしい曲(?)である。ヘ音記号の真ん中のD#から始まって、最高音1オクターブ上のG#、アマチュアだと、なぜかこのG#を外してしまう人が多い。それはともかくとして、完全なソロなので、自分のものだと言わんばかりに吹いてやりましょう。
 (譜例<冒頭部分>は
こちらを参照、演奏例<MIDI>はこちらへ)

 で、この曲の場合、この場所だけなので、Tb奏者が持ち替えて吹く場合が多い。が、ここだけのためにEuph奏者を呼んで吹いてもらう場合も最近、増えてきている。私が思うに、そこだけのために、Euph奏者を呼んで35分くらいの長い曲を出番以外は座っていてもらうのは、ちょっともったいない気がする。彼も出演するからには、もっと活躍したいだろうし、座っているだけでは、疲れてしまうだろう。(いかにも、アマチュア的な考え方ですが) ということで、この曲の場合は、Tb奏者が楽器を持ち替えて吹いた方が、エキストラを呼ぶための経費も削減できるし、いいことがたくさんあります。

 が、ラヴェルが活躍していた頃、Tubaがこんなに高い音を出すことができたのか?そういえば、ベルリオーズというフランスの作曲家が書いた「幻想交響曲」には、スコア上は、TubaのダブルハイBbまで書いていた。ただし、Tubaではなく「オフィクレイド」という楽器だったが、それをみてラヴェルも書いたのでしょうか?

 もし、知っている人がいましたら、教えてください。

(追記:2002/03/02)
 いろいろと寄せられた情報を整理しますと、ラヴェルはこの曲をフレンチ・チューバを想定して書いていたとのことです。で、フレンチ・チューバについて簡単に紹介しますと、C管のユーフォニアムのような楽器で、ピストンが6つ付いている。音域は、現在のバス・チューバの音域からユーフォニアムの音域までカバーしている。しかし、この楽器は、現在ではあまりお目にかかれない楽器となっているようです。理由は、あまり太くなかった音色が次第にオーケストラには使われなくなっていったとのことであるが、はっきりしていない。